突然ですが、斗南藩をご存知ですか?
幕末の戊辰戦争で最後まで幕府に忠義を尽くした会津藩のことです。
会津藩は新政府軍に敗れお家断絶となりましたが、後に再興を許され
「斗南藩」として現在の青森県の二戸から三戸・下北地方へ移封されました。
今回帰省した折に、三沢市の道の駅に「斗南藩記念観光村」があることを知り
訪ねてみました
。

この地で斗南藩少参事であった廣澤安任(ひろさわやすとう)が、
日本発の民間洋式牧場を開設し、
旧斗南藩士達に生きる希望を与えたということです
。
斗南藩が移封された地は気象条件の厳しい土地で、
いくらお家の再興が叶ったとはいえ斗南藩の方々は過酷な生活を強いられたことは
容易に察せられます。
明治9年の明治天皇東北御巡幸の折、随行した大久保利通が
安任の住居を訪ね入閣を勧めたということですが、
この大久保の申し出にも安任は
「野にあって国家に尽くす」と、一介の牧夫として
北辺の地の開拓に一生を奉げる覚悟であると告げたそうです。
戊辰戦争で2人は敵同士となりましたが、お互いに一級の人物と
認め合っていたことが分かります。
江戸から明治を生きた人たちは、自分がどのような立場にいても常に国家に
尽くすことを忘れない立派な志を持っていたのですね
。
安任の住居兼書斎を復元した建物「六十九種草堂」には
そのシーンを再現した蝋人形が置かれており、あまりのリアルさに
思わず息を呑みました
。
彼らは絶対、夜になると動いていると思いますよ
記念館には幕末の歴史小説に出てくる著名な先人たちの書簡や資料が沢山あり
もう興奮の連続でした
。
ご興味のある方は是非一度足をお運び下さい
。
ところで会津藩が幼年者の教育の基本としていた「什の掟」をご存知ですか?
一、年長者の言ふことに背いてはなりませぬ
二、年長者にはお辞儀をせねばなりませぬ
三、虚言を言ふことはなりませぬ
四、卑怯な振る舞いをしてはなりませぬ
五、弱いものをいぢめてはなりませぬ
六、戸外で物を食べてはなりませぬ
七、戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです。
現代でも通用する素晴らしい教えですよね
。
戊辰戦争での会津藩の悲劇と、会津藩士の志の高さに関しては、小学生の頃から
何度も何度も父から聞かされておりましたので、私の中では武士道=会津藩と
なっておりましたが、その精神の高潔さは武士だけにとどまらず、婦女子にまで
染み渡っている印象をもちました。
私はどうにも判断に迷ったとき、やすきに流れかけたとき、
この最後の言葉を声に出して自分に言い聞かせます。
「ならぬことはならぬものです」と。
いけない振る舞いには理由などないのですから。
たったこの一言で腹が決まったりするので不思議なものです。
先人の言葉には、まだまだ学ぶべきことが沢山ありますね
。